経審AIナビ

ICT・CCUSは経審にどれくらい効くのか、具体的な加点を数字で整理

「ICT建機を入れたら経審が上がると聞いたけど、実際どのくらい変わるのか」「CCUSに登録させたら何点になるのか」――こういった質問を現場の経営者から受けることは少なくありません。

ICTやCCUSが経審に影響するのは本当です。
ただ、「なんとなく良くなる」という感覚のまま投資するのは危険で、実際にどの審査項目に、何点くらい乗ってくるのかを把握した上で判断しないと、費用対効果が見えません。

この記事では、W点(その他の審査項目)を中心に、ICT活用とCCUSの経審への影響を具体的な点数と条件で整理します。

経審のW点とは何か、おさらい

経審(経営事項審査)の総合評定値(P点)は、X1(完成工事高)・X2(自己資本額等)・Y(経営状況)・Z(技術力)・W(その他の審査項目)の5つで構成されています。

このうちW点は、社会性等を評価する項目で、雇用保険・健康保険・建退共への加入状況、防災協定への参加、建設機械の保有状況、国際標準規格(ISO)の取得、そしてCCUSの活用状況などが評価されます。

W点の計算は複雑ですが、加点項目を一つ取るだけで数点〜数十点動くことがあり、総合評定値(P点)が数点変わることで入札の参加資格ランクが切り替わるケースもあります。
中小の建設会社にとって、W点の積み上げは現実的な戦略です。

CCUSの経審加点、レベル別に何点もらえるのか

2023年1月から、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用状況がW点の審査項目に加わりました。
評価されるのは「建設工事に従事する技能者のうち、CCUSに登録している技能者の割合」と「レベル3・レベル4の技能者の比率」の2軸です。

CCUSの活用比率による加点(W点への影響)

まず、技能者全員のうちCCUS登録者が占める割合(登録率)によって評価が変わります。

  • 登録率100%:15点
  • 登録率75%以上100%未満:10点
  • 登録率50%以上75%未満:5点
  • 登録率50%未満:0点

さらに、レベル3(職長クラス)またはレベル4(登録基幹技能者・班長クラス)の技能者の比率に応じた加点が別途加わります。

  • レベル3・4の比率が30%以上:10点
  • レベル3・4の比率が20%以上30%未満:7点
  • レベル3・4の比率が10%以上20%未満:3点
  • レベル3・4の比率が10%未満:0点

つまり最大で25点の加点が取れます。
技能者10人の会社で全員登録済み、うち3人がレベル3・4なら、それだけで登録率100%(15点)+レベル比率30%(10点)で25点という計算になります。

ただし注意点があります。
評価の対象となる「技能者」の定義は審査基準日時点での雇用関係が前提であり、一人親方や常用外の方の扱いには確認が必要です。
また、CCUSの実績データが審査機関に連携されるタイミングにも注意が必要で、登録しただけでは不十分なケースがあります。

CCUSへの登録が自社の職人に本当に必要か、という視点からの解説は 建設キャリアアップシステム、うちの職人も登録すべき? にまとめていますので、まだ迷っている段階の方はそちらも参考にしてください。

ICT関連の経審加点、何が評価されるのか

ICT活用の経審評価は、大きく2つのルートがあります。

①建設機械の保有台数による加点

W点の「建設機械の保有状況」では、特定の機械を1台保有するごとに2点が加算されます(上限15点)。
ICT建機(ICT機能を搭載した油圧ショベル・ブルドーザー等)はこの対象になります。

自社所有(リース除く)が原則で、審査基準日において自社名義であること、かつ建設機械施工技士等の有資格者が在籍していることが要件です。
リースで使っているICT建機はカウントされません。
購入するなら「経審の機械台数に入るか」を事前に確認することが重要です。

②技術者の資格・専任配置による加点

ICT施工に関する資格(例えば「i-Construction推進機構」の認定資格等)は、Z点(技術力)の技術者評価に影響する場合があります。
Z点は保有資格と在籍年数を評価するため、ICT施工の関連資格を取得した技術者が在籍していると評価が高まります。

ただし、資格ごとに点数が異なります。
一級建築士・一級土木施工管理技士などのメイン資格と比べると加点幅は小さいことも多く、「ICT資格だけでZ点を大幅に改善できる」と期待するのは禁物です。
あくまで積み上げの一つとして位置づけるべきでしょう。

③直接的なICT活用加点は現状は限定的

「ICTを使って施工しているかどうか」そのものがW点に入る仕組みは、現時点では国交省の制度上、限定的です。
CIMの活用やBIMの取り組みは今後評価対象が広がる可能性が示唆されていますが、2025年時点では「機械保有台数」と「技術者資格」が主な接点になります。

経審とICT補助金の関係については 経審でICT加点は取れる?建設業の省力化投資補助金と評価の関係 でより詳しく解説しています。
ICT機材を買うかどうか迷っている方は、補助金とセットで判断する視点が欠かせません。

ICT・CCUS投資と補助金の合わせ技

経審加点を目的にICT建機を購入したり、CCUSの運用体制を整えたりするには、当然コストがかかります。
そこで、補助金と組み合わせて投資回収を早める発想が現実的です。

ICT機材の購入・導入については、中小企業省力化投資補助金が使える場合があります。
カタログから対象機器を選ぶ仕組みで、建設会社でも適用実績があります。
詳しくは姉妹サイト「建設補助金AI」の 中小企業省力化投資補助金、建設会社でも使える? をご覧ください。

また、ICTシステム全般の導入や業務デジタル化には、デジタル化・AI導入補助金も選択肢に入ります。
デジタル化・AI導入補助金2026、うちの建設会社でも使える? で2026年度の最新情報を確認できます。

ものづくり補助金も、ICT施工や現場管理システムの導入に活用された事例があります。
条件や締切は変わるので、ものづくり補助金、建設会社でも使える? で最新の情報を確認することをおすすめします。

あなたの会社の経審の伸びしろ、気になりますか?

3分の診断で、AIがあなたの会社に合う加点施策を優先順位つきで提案します。メール登録は任意、画面で結果が見られます。

無料で経審診断を試す →

CCUSに関しては、登録手数料や現場利用料の一部を支援する制度があります。
CCUS手数料支援、うちの会社も対象? で支援内容と申請の流れを確認してみてください。
補助を使いながら登録率を上げていけると、経審加点への道筋も立てやすくなります。

加点を取る前に確認したい3つのポイント

ICT・CCUSの加点を実際に取りに行く前に、整理しておきたいことがあります。

  • 審査基準日を意識する:経審の評価はある一時点(審査基準日)の状態で判断されます。
    機械購入もCCUS登録も、その日までに完了していないとカウントされません。
    「来月には間に合う」という判断は思わぬ失点につながります。
  • 技能者の定義を確認する:CCUSの登録率を計算する際、一人親方・常用工をどう扱うかは実務上よく迷うポイントです。
    審査機関や行政書士に事前確認しておくことを強くおすすめします。
  • P点への反映幅を現実的に見積もる:W点が25点改善しても、P点が同じだけ動くわけではありません。
    W点の配点ウェイトは業種・会社規模によって異なります。
    「W点が20点増えたらP点はいくら動くか」を実際の数字で試算することが必要です。

建設関連業の登録や外国人材受入れとの関係

CCUSと絡めて話題になることが多いのが、外国人材(特定技能)の受け入れです。
特定技能の建設分野では、CCUS登録が受け入れの必須要件になっています。
経審加点とは別の文脈ですが、外国人材を雇用しているまたは検討している会社では、CCUSの整備が二重の意味で重要になります。
詳しくは 建設特定技能受入計画って、うちでも使える? をご参照ください。

また、測量業や地質調査業を手がけている会社では、業種登録と経審の評価項目の関係が変わってきます。
建設関連業の登録、うちの会社は必要ですか? で自社が登録すべき業種の範囲を確認するとよいでしょう。

よくある質問

Q. リースで借りているICT建機は経審の機械台数にカウントされますか?

原則としてカウントされません。
W点の「建設機械の保有状況」は自社所有の機械が対象です。
ファイナンスリースで実質的に自社資産として計上されているケースでは取り扱いが変わることもありますが、オペレーティングリースや短期レンタルは対象外です。
購入前に確認してください。

Q. CCUSのレベル判定はいつ行えばよいですか?

レベル判定は各職種の能力評価実施機関に申請します。
審査基準日までにレベル判定が完了していないと、経審評価に反映されません。
判定には申請から数週間〜1か月程度かかる職種もあるため、余裕をもって進めることが重要です。
特にレベル3・4への引き上げを狙う場合は、半年以上前から動き始めると安心です。

Q. W点の加点は大きな会社のほうが有利ですか?

W点自体は項目ごとの点数が決まっているため、加点項目を多く満たせば会社規模に関係なく積み上がります。
ただし、P点計算ではX1(完成工事高)の影響が大きいため、W点で逆転できる差は限られます。
それでも数十点単位でP点が動けば、ランクが一段上がるケースもあります。
中小の会社こそ、W点を戦略的に積み上げる意味があります。

Q. CCUSの活用で経審加点を取っている会社はどのくらいありますか?

制度開始(2023年1月)からまだ日が浅く、登録率100%を達成している中小建設会社は多くはありません。
だからこそ、今動いておくと競合他社に差をつけやすいタイミングでもあります。
先行して整備した会社が評価上の優位を持てる可能性があります。

まとめ

ICTとCCUSの経審加点を整理すると、次のようになります。

  • CCUSは最大25点(登録率100%で15点+レベル3・4比率30%以上で10点)
  • ICT建機の保有台数はW点に1台2点(上限15点)で反映される
  • ICT活用そのものの直接加点は現時点では限定的で、機械保有と技術者資格がメインルート
  • 補助金を使って投資コストを抑えながら加点を取る戦略が現実的

「何点取れるか」を先に計算して、そこから逆算して行動するのが賢い順番です。
闇雲に登録や購入を進めても、審査基準日との兼ね合いや要件ミスで無駄になることもあります。
W点の積み上げは地道ですが、確実に効く投資です。

この記事は以下の官庁・公式サイトの公開情報(2025年時点)をもとに作成しています。
各制度の補助率・上限額・公募期間は年度ごとに変更されるため、申請前に必ず最新の公募要領および各制度の事務局へご確認ください。
本記事は情報提供を目的としており、手続きの代行や法的助言を行うものではありません。

主な出典・参考:

関連記事

3分で経審の伸びしろを可視化

5問の診断で、あなたの会社に合う加点施策をAIが優先順位つきで提案します。 診断自体に登録は不要です。

無料で経審診断を試す(3分)

会社名・担当者氏名・電話番号は取得しません

または