「ICT導入すると経審の点数上がるの?」と気になっている社長さん、結構いらっしゃいますよね。
国土交通省が建設業向けのICT施策を打ち出していますが、実際に経審でどう評価されるのか、補助金はどう使えるのか、現場で迷うポイントを整理してみます。
経審でのICT評価、実は2つのルートがある
まず結論から言うと、ICT導入が経審で加点される仕組みは確かにあります。
ただし「機械を買えば自動的に点数アップ」というわけではなく、何をどう使っているかの証明が必要になってきます。
経審でのICT評価は主に2つのルートで行われます。
1つ目はW点(社会性等)での加点。
建設機械の保有状況や、i-Constructionへの対応実績などが評価対象です。
2つ目はZ点(技術力)での評価。
CPD(継続教育)でICT関連の講習を受講していると、技術者評価に反映されることがあります。
よくある勘違いが「ドローン買ったから加点される」というもの。
実際には、実際の工事で活用した実績や、技術者の操作スキルを証明する資格などが必要になるケースが多いんです。
決算変更届を出すときに、こうした実績をきちんと書類で残しておかないと、せっかくの投資が経審に反映されません。
中小企業省力化投資補助金、建設業でどう使う?
国土交通省が案内している施策の中に「中小企業省力化投資補助金」が含まれています。
これは経済産業省が所管する制度ですが、建設業でも活用できるケースが増えているのが特徴です。
この補助金の対象になりやすいのは、たとえば以下のような導入例です。
測量用のドローンやレーザースキャナー、工事写真の自動整理システム、現場管理アプリなど。
ポイントは「省力化」が明確に説明できること。
「今まで3人で2日かかっていた測量が1人で半日になる」といった具体的な効果を示す必要があります。
補助率は導入費用の一部(制度によって異なる)ですが、数百万円規模の機器でも補助対象になることがあるので、大きな投資を考えている会社さんは検討する価値があります。
ただし、申請には事業計画書や見積書など、かなり詳細な資料が必要になるため、早めの準備が欠かせません。
ICT指針と事例集、どう読めばいい?
国土交通省が公開している「ICT指針」と「ICT指針事例集」は、建設業でのICT導入を検討するときの実質的な教科書になります。
事例集には、実際の建設会社がどんな機器をどう使って、どれだけ効率化できたかが具体的に書かれています。
現場でよく参考にされるのは、同規模・同業種の事例です。
たとえば従業員30人規模の土木会社が、どんなICTツールから導入を始めたのか。
初期投資はいくらで、何年で元が取れたのか。
こうした数字が出ているので、自社の計画を立てるときの参考になります。
また、事例集を読むと気づくのが、「小さく始めて段階的に拡大」しているパターンが多いこと。
いきなり全現場にICT建機を導入するのではなく、まず1つの現場で試してみて、うまくいったら横展開する。
こうした進め方が、リスクを抑えながら確実に効果を出すコツのようです。
経審に反映させるための実務ポイント
ICT導入を経審で評価してもらうには、日頃からの記録が重要になります。
具体的には以下のような準備が必要です。
工事台帳にICT活用の有無を明記しておくこと。
「この工事ではドローン測量を実施」「3次元データで施工管理」といった記録を残します。
これが後々、経審での加点申請や、発注者へのアピール材料になります。
技術者のICT関連資格や講習受講歴も整理しておきましょう。
測量士補、ドローン操縦資格、i-Construction関連の講習など。
これらはZ点(技術力)の評価に影響してきます。
特にCPD単位として認定される講習は、技術者一人あたり年間〇単位といった形で積み上がっていくので、計画的に受講させることが大切です。
また、補助金を使ってICT機器を導入した場合は、その実績も記録に残しておく必要があります。
「〇年度に省力化投資補助金を活用してレーザースキャナーを導入」といった情報は、後から確認されることもあるため、書類として保管しておきましょう。
よくある質問
Q1: ICT導入すれば必ず経審の点数は上がりますか?
A: 機器を買っただけでは上がりません。
実際の工事での活用実績や、技術者の資格取得など、評価基準に沿った証明が必要です。
W点やZ点のどの項目で加点を狙うかを明確にして、計画的に進めることが重要になります。
Q2: 補助金の申請は自分でできますか?
A: 制度によって難易度が異なります。
省力化投資補助金は事業計画書など詳細な資料が必要なので、初めての申請では専門家(中小企業診断士や行政書士)のサポートを受ける会社が多いです。
申請代行自体は問題ありませんが、事業の実態は自社でしっかり説明できる必要があります。