建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、まだ迷っていませんか?国土交通省が推進するこの制度、実は経審の加点対象にもなるんです。
今回は、建設業許可の実務を15年続けてきた行政書士の立場から、CCUSの仕組みと登録のメリットをお伝えします。
建設キャリアアップシステムとは何か
建設キャリアアップシステムは、建設技能者一人ひとりの就業実績や資格を業界横断的に登録・蓄積する仕組みです。
技能者がICカードを持ち、現場の入退場時にカードリーダーにタッチすることで、自動的に就業履歴が記録されていきます。
これまで「どこの現場で何日働いたか」は個々の会社が管理していましたが、CCUSを使えば業界全体で一元管理できるようになったわけです。
国土交通省は、このシステムを建設業界の「技能の見える化」の核として位置づけています。
職人さんの技能レベルを客観的に評価し、適正な処遇につなげる。
そのための基盤がCCUSというわけですね。
詳しくは国土交通省の建設産業ページで最新情報を確認できます。
登録すると何が変わるのか
まず、技能者本人にとっての最大のメリットは「キャリアの可視化」でしょう。
これまで口頭や紙ベースで伝えていた経験年数や保有資格が、システム上で一目瞭然になります。
転職や独立の際にも、自分のキャリアを客観的に証明できるわけです。
一方、事業者側には経審での加点というメリットがあります。
具体的には、CCUSに登録し、就業履歴を蓄積している技術者の割合に応じて、経審のW点(社会性等)で加点される仕組みです。
現場では「経審の点数を1点でも上げたい」という相談をよく受けますが、CCUS登録は比較的取り組みやすい加点施策の一つといえます。
さらに、公共工事の発注者がCCUS活用を要件化するケースも増えてきました。
大手ゼネコンを中心に、元請がCCUS登録を協力会社に求める動きも広がっています。
今後、CCUS登録が実質的な「参加条件」になる現場が増えていくと考えられるでしょう。
登録の手順と費用
登録は、まず事業者としての登録を行い、その後、所属する技能者を登録する流れになります。
事業者登録はオンラインで手続きができ、登録料として初回に4,000円、2年目以降は年間2,400円がかかります。
技能者の登録料は初回2,500円、以降は年間1,600円です。
ICカードの発行には別途費用がかかり、カード代が1枚あたり400円程度、カードリーダーの購入費用は機種によって異なりますが、モバイルタイプで5万円前後が一般的でしょう。
現場規模が大きければ据え置き型を選ぶケースもあり、その場合は10万円を超えることもあります。
よくあるのが「誰が費用を負担するのか」という疑問です。
技能者本人の登録料は本人負担が原則ですが、会社が補助するケースも少なくありません。
カードリーダーは事業者が用意するのが一般的ですね。
元請から「CCUS使ってください」と言われて慌てて導入する、というパターンも実務では多く見かけます。
能力評価制度との関係
CCUSには「能力評価制度」という仕組みもセットになっています。
これは、技能者を4段階(レベル1〜4)で評価するもので、就業日数や保有資格、職長経験などをもとに判定される制度です。
レベル1は見習いレベル、レベル2が一人前、レベル3が職長クラス、レベル4が高度なマネジメント能力を持つベテランという位置づけになります。
このレベル判定が客観的な「技能の証明」として機能するわけですね。
将来的には、レベルに応じた賃金体系を整備する動きも出てくるでしょう。
経審との関連でいうと、レベル3以上の技能者が多いほど加点が大きくなる仕組みも検討されています。
つまり、ただ登録するだけでなく、技能者のレベルアップを促すことが事業者の評価にもつながるということです。
実際の現場での使い方
現場でCCUSを運用する際は、まず現場ごとにカードリーダーを設置します。
技能者は現場に入るときと退場するときにICカードをタッチするだけです。
データは自動的にクラウドに送信され、就業履歴として蓄積されていきます。
最初は「また新しい手続きか」と抵抗感を持つ職人さんもいるかもしれません。
実際、私が相談を受けた会社でも「60代のベテランがカードなんて使えるのか」という声がありました。
ただ、実際に導入してみると、タッチするだけなので思ったよりスムーズに運用できたという報告が多いですね。
むしろ課題になるのは、カードリーダーの管理や現場監督の負担増でしょう。
特に複数の現場を同時に抱えている会社では、各現場にリーダーを配置するコストや、トラブル時の対応が問題になることがあります。