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経営状況分析(Y点)って、どうやって上げるの?CIICへの申請から点数の仕組みまで解説

結論から言います。
Y点は財務内容そのものが点数になります

経審を受けようとしている社長から「Y点だけ何とかならないか」という相談をよく受けます。
正直に言うと、Y点は粉飾や操作で上げられるものではありません。
貸借対照表・損益計算書の数字がそのまま点数に直結するからです。
ただ、正しく計上できていない、あるいは決算書の組み方が経審に不利な形になっているケースは実務上かなり多い。
そこを整理するだけで、同じ財務内容でも点数が変わることがあります。

経営状況分析(Y点)は、経審の総合評定値(P点)を構成する4つの要素のうちのひとつで、全体の20%のウェイトを占めます。
P点の計算式は「P=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W」と定められていて、Y点だけで全体を動かすことには限界がありますが、完工高が3億円規模の中小建設業者であれば、Y点が100点変われば最終的なP点が20点前後変動します。
入札参加資格の格付けが変わる可能性が十分あるので、軽視はできません。

CIICとは何か、なぜここに申請するのか

経営状況分析の申請先は「登録経営状況分析機関」と呼ばれる機関で、国土交通大臣の登録を受けた複数の機関が分析業務を行っています。
そのうちのひとつが一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)で、登録番号は「1番」です。
長年この業務を担ってきた機関であり、電子申請(マイページ)やコンビニプリントなどのサービスも整備されているため、実務上はCIICを選ぶ会社が多い印象です。
公式サイトはhttps://www.ciic.or.jp/keisin/から確認できます。

申請の流れとしては、まず決算後に財務諸表を作成し、申請書類一式をCIICに提出します。
提出方法は電子申請と郵送の両方に対応していて、電子申請の場合はCIICのマイページから手続きが完結します。
審査が通れば「経営状況分析結果通知書」が発行され、これを経審の申請時に行政庁へ提出する流れになります。
分析結果はe結果通知サービスで電子的に受け取ることも可能です。

Y点は8つの財務指標で決まります

Y点の計算に使われる財務指標は8つあります。
純支払利息比率、負債回転期間、売上高経常利益率、総資本売上総利益率、自己資本対固定資産比率、自己資本比率、営業キャッシュフロー、利益剰余金の8指標です。
これらを加重平均して最終的なY点が算出されます。

よく誤解されるのが「売上が上がればY点も上がる」という思い込みです。
売上高経常利益率や総資本売上総利益率は売上と利益の関係を見る指標なので、売上だけ増えて利益が伴わなければむしろ下がることがあります。
また、長期借入金が多い会社は負債回転期間が悪化しやすく、同じ完工高でも点数に差が出ます。

実務上よくあるのが、役員報酬の設定が利益を過度に圧縮しているケースです。
節税目的で役員報酬を高めに設定している場合、経常利益が薄くなり、売上高経常利益率が低下します。
税務上の最適解と経審上の最適解は必ずしも一致しないので、顧問税理士と経審の観点を共有しておくことが重要です。

申請タイミングと「決算変更届の出し忘れ」問題

経営状況分析の申請は、決算終了後に行う必要があります。
そして、経審を受けるためには先に「決算変更届(事業年度終了届)」を許可行政庁に提出していなければなりません。
ここを忘れている会社が驚くほど多い。
決算が終わって経審の時期が近づいたタイミングで「あ、決算変更届まだ出してない」となると、経審のスケジュールが丸ごとずれます。

決算変更届の提出期限は決算終了後4ヶ月以内です。
3月決算なら7月末、9月決算なら1月末が目安になります。
経審の申請日から逆算して、決算変更届の提出・受理を先に確認してください。
この順番を間違えると、経審の窓口で受け付けてもらえません。

料金はどれくらいかかるのか

CIICの分析手数料は申請する業種数によって変わります。
詳細は料金プランのページ(https://www.ciic.or.jp/analysis/plan/)で確認できますが、目安として1業種あたり数千円〜1万円程度の水準です。
複数業種を申請するほど1業種あたりの単価が下がる仕組みになっています。
経審全体でかかるコストの中では比較的小さい部分ですが、毎年発生する費用なのでしっかり把握しておきましょう。

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なお、CIICは無料の申請支援ソフト「なんでも経審Plus」も提供しています。
財務諸表の入力から申請書の作成まで補助してくれるツールで、自社で経審関連の書類を整理したい担当者には便利な存在です。
ただし、財務諸表の作成自体は正確な会計知識が前提になるので、税理士との連携は欠かせません。

よくある質問

Q1. 経営状況分析と経審は別物ですか?

はい、別の手続きです。
経営状況分析はCIICなどの登録機関に申請して「Y点」を算出してもらうプロセスです。
一方、経審(経営事項審査)は許可行政庁(都道府県や国土交通省)に申請して総合評定値(P点)を取得する手続きです。
経営状況分析を先に済ませ、その結果通知書を持って経審に臨む流れになります。

Q2. Y点を上げるために今期からできることはありますか?

決算を締める前であれば、いくつか検討できることがあります。
たとえば、不要な固定資産の除却で総資本を圧縮すると総資本売上総利益率が改善することがあります。
また、短期借入金の長期借入金への組み換えは負債回転期間の計算に影響を与えるケースがあります。
ただし、これらは会計・税務上の影響も伴うので、税理士や行政書士に相談しながら判断してください。

Q3. 分析結果が届くまでどれくらいかかりますか?

CIICの場合、電子申請であれば通常数日〜1週間程度で結果が通知されます。
繁忙期や書類に不備がある場合は時間がかかることがあります。
経審の申請期日から逆算して、余裕を持って申請することをお勧めします。
公共工事の入札参加資格の申請時期が重なる年度末前後は特に混み合うので注意してください。

Q4. 赤字決算の年はY点がゼロになりますか?

ゼロにはなりません。
Y点の下限は設けられていますが、赤字が続くと経常利益や利益剰余金に関わる指標が大きく悪化するため、全体のY点は相当下がります。
2期連続で大幅な赤字が出ると、P点全体への影響が無視できないレベルになります。
格付けの維持を考えるなら、赤字が見込まれる期の財務戦略について早めに専門家と話しておく必要があります。

Q5. 電子申請と郵送申請、どちらを選べばいいですか?

スピード重視なら電子申請です。
マイページから申請データを送信できるので、郵送の往復時間がなくなります。
また、e結果通知サービスを使えば結果もオンラインで受け取れます。
ただし、初回は会員登録や操作の習熟に少し時間がかかる場合があります。
詳細はCIICのマイページ案内(https://www.ciic.or.jp/analysis/mypage/)を参照してください。

関連記事: 建設キャリアアップシステム、うちの職人も登録すべき?

この記事は情報提供を目的としており、手続きの代行や法的助言を行うものではありません。
最新の情報は各行政機関の公式サイトでご確認ください。

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